メディア等でも時々話題に上がる断食。断食を推奨している人も多く、挑戦したことがある人もいるのではないでしょうか。本記事では、断食とデトックスの関係について徹底解説致します。
断食と腸内細菌の関係
まず、結論からお伝えすると断食はオススメしません。
なぜなら、断食をしてしまうと体に必要なエネルギーが入ってこないため。
人間の中には共生微生物というものが存在し、その中でも断食の影響をうけるのが腸内細菌。身体に栄養がない状態では腸内細菌のエネルギーも無くなってしまうことになるので、腸内細菌がどんどん
死んでいってしまう。
その腸内細菌の死骸が出たものが黒い便。よく断食をすると毒がすごく出るて便が黒くなるというような話があるが実はそれは単なる腸内細菌の死骸。
腸内細菌がいなくなってしまうと…
腸内細菌は私たちの体の中で短鎖脂肪酸というものを作っている。短鎖脂肪酸は、酪酸、酢酸やプロピオン酸、それらは私たちの体のエネルギー源にもなっている大切なもの。
つまり、食べたものが腸内細菌の餌になり腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り、私たちのエネルギーになる。
また、短鎖脂肪酸はエネルギーになるだけでなく他にも私たちの体にとって非常に大事な役割を果たしてくれている。
GLP-1というホルモンに関係
GLP-1というホルモンは、インスリンの働きを良くしてくれる。
つまり、このGLP-1があまり出来ないとインスリンの働きが悪くなり下手すると糖尿病になってしまったり、ご飯を食べると血糖値がすぐに上がってしまったりといった様々な問題を引き起こしてしまう。
断食ではなく糖質制限をすればOK?
断食によって、なんとなく調子が良くなった、逆にやる気が出てきたというような人もいる。
しかし、それはケトン体をエネルギーにしているケトーシスの状況。本来は、糖質や脂肪酸をエネルギーにするが断食をした状態だと糖質がほとんど入ってこない。
そのため、ケトン体をエネルギーにした状態になる。
体がケトーシスの状態になることで、ケトン体が脳にいき脳のエネルギーになる。その為、頭がスッキリし、疲れが少ない状態にすることができる。つまり、断食をしなくても糖質を制限するだけでケトーシス狙うことが出来る。
断食=栄養失調の状態
断食とはそもそも、昔の人間たちが飢えている状態で何とかやっていくために作られたものなので望ましい状態ではないといえる。
なので、断食をするのではなく糖質を制限した食事にした方が安全に脳のエネルギーを確保することが出来る。
まとめ
断食によるデトックスというのも実は単なる腸内細菌の死骸だということです。このようなことから、断食はあまりお勧め出来ません。
絶対にやるなとは言いませんが個人的にはあまり勧めたくないと思います。是非参考にしていただければと思います。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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