トレーニング前にウォームアップをしていますか?
やる人もいますし、あまり気にしないでトレーニングをする人もいると思います。
ウォームアップの狙いは「体温を上げること」と「神経系を活性化させること」です。
二段階に分けてウォームアップをすることでトレーニング効果を高めることができます。
今回はトレーニング前のウォームアップについて説明します。
ウォームアップの目的①体温を上げること
ウォームアップで一番重要なことは「体温を上げること」です。
体温が上げることで体内の酵素が活発に働きやすくなり、ATPの合成を促したり、筋肉を収縮したり、さまざまな身体の代謝反応が起こりやすくなります。
つまり、ウォームアップである程度身体を温めることによってトレーニングの効果が高くなります。
夏はすでに体温が高いため、少なめのウォームアップで十分です。
逆に、体温が低い状態だと酵素が活発に働かないため、ATPの合成もうまくできず、筋肉の収縮も悪くなります。
そのため、冬はある程度身体を温めるために、ウォームアップをしっかり行いましょう。
「ATP(アデノシン三リン酸)」とは細胞内のミトコンドリアで作られる、身体のエネルギーとなる物質です。ATPの合成に使われる主な材料として、脂質・糖質・アミノ酸があります。
ウォームアップの目的②神経系を活性化させること
ウォームアップのもう一つの目的は、神経系の活性化です。
例えば、寝起きでいきなり思い重量を上げようとしてもなかなかやる気が出ず、力が入らないと思います。
それは神経伝達物質がしっかりと出ていないことが原因です。
ウォームアップである程度重い重量を扱い、神経系を活性化させることで、より重い重量を扱うことができます。
ウォームアップは二段階に分ける
まず軽い重量で身体を温めて、次に少し重い重量で神経系を活性化させる2段階に分けたウォームアップ方法を山本先生は推奨しています。
2段階に分けてウォームアップを行うことで、トレーニング効果を高めることができ流からです。
具体例として、本番で100キロのベンチプレスを上げる場合で説明します。
40%の重量で、徐々に体温を上げる
最初に軽い重量で多めの回数を行い、徐々に体温を上げて、血流を良くして酵素活性を高めます。
40キロくらいのベンチプレスを15〜20回程度行なって身体を温めます。
80%の重量で、神経系を活性化させる
次に、少し重い重量で神経系を活性化させてから、本番のトレーニングに移ります。
70〜80キロぐらいのベンチプレスを2~3回だけ行なうことで、神経系を活性化させることができます。
重い重量のベンチプレスに対する心の準備が整うことで、血流・酵素活性・神経系も活性化されて本番でできるようになります。
ウォームアップのやりすぎには注意が必要
ウォームアップをやりすぎて、本番前に疲れないように注意してください。
ベンチプレスの場合、70kgのベンチプレスを15回ぐらいやってしまうと、大胸筋などの筋肉に疲労が溜まってしまい、本番で100kgのベンチプレスが上がらなくなくなってしまいます。
上述しましたが、70kgのベンチプレスでウォームアップを行う目的は神経系を活性化させるためです。
そのため疲れないように注意して、本番にパワーを残すために3〜4回で十分と言えます。
山本先生も200キロのベンチプレスでセットを組んでいた時は、60kgで20回・100kgで3回・140kgで2回・180Kgで1回、そして200kgで1回というセットを組んでいたとのことです。
まとめ
体温を上げるウォームアップと神経系を活性化させるウォームアップの二段階に分けることでトレーニング効果を高めることができます。
神経系を活性化させるために重い重量を扱いますが、ウォームアップをやりすぎて、本番前に疲れないように注意してください。
・ウォームアップで一番重要なことは体温を上げること
・次に神経系を活性化させる
・「体温を上げること」と「神経系を活性化させる」2段階に分けてウォームアップを行う
・ウォームアップで疲れないこと
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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