ワークアウトドリンクにEAAを摂取している方も多くおられると思います。毎回作るのがめんどうなことから、数日(数週間)分のEAAを作り置きしている方もおられるかもしれません。しかしEAAの作り置きはオススメできません。
EAAの成分は筋肉の合成に欠かせない必須アミノ酸なので、栄養が豊富です。栄養が豊富という事は、細菌にとっても大変なご馳走になります。そのため、作り置いたEAAがぬるくなったり、同じ容器で何度も直飲みを繰り返したりしていると、短時間でも細菌が繁殖する事があります。
EAAを作り置きしてトレーニングに臨む場合は、細菌の繁殖を抑えるように注意しましょう。
今回は、EAAの作り置きで注意するべきポイントや外出先へ持参する方法、正しい飲み方を解説します。
EAAの作り置きには注意が必要!
EAAは、粉末状のサプリメントを水に溶かして飲むワークアウトドリンクです。そのため、直射日光や高温多湿な場所を避けるなど、粉末状のプロテインと同じような保存方法が奨励されています。
EAAはトレーニング前・トレーニング中にこまめに摂取する事でより高い効果を期待できるので、ワークアウトドリンクとして作り置きをするトレーニーも多いでしょう。1日に複数回のトレーニングに励む方は、1日分のプロテインやEAAをまとめて作り置きされているかもしれません。
なかには、「面倒くさい」「少しくらいまとめて作っても大丈夫」と考え、プロテインやEAAを作り置きする方はいませんか?
しかし、細菌が繁殖したときのリスクを考えると、やはり作り置きはオススメできません。
以下では、ドリンクの作り置きで細菌が繁殖する3つの条件を紹介します。
細菌の繁殖には3つの条件がある
細菌の繁殖には、「温度」「水分」「栄養」の3つの条件が深く関係しています。
【温度】
細菌の繁殖に最も適している温度は、いわゆる“常温”と呼ばれる5℃~35℃です。
気温が高い夏場はドリンクの温度上昇も早くなるので、暑い場所(屋外・車内・冷房のない部屋など)での放置は禁物です。
また、細菌は「0℃以下または50℃以上」という特定の環境以外で繁殖を抑える事はできません。私たちが涼しいと感じる場所にEAAの作り置きを置いても、時間が経つにつれ細菌は繁殖します。
【水分】
細菌の繁殖には水分が不可欠です。EAAを水に溶かした時点で、細菌が繁殖する可能性が高まる事を知っておきましょう。また、シェイカーなどにEAAの粉末を入れておく場合でも、容器の内側に水滴が残っていると細菌が繁殖してしまう危険があります。
【栄養】
「たんぱく質」や「糖質」は、細菌が繁殖する環境を作り出す栄養源です。9種類の必須アミノ酸を配合したEAAはアミノ酸なので、これに適度な温度と水分がそろうと細菌が繁殖します。
上記の理由から、EAAの作り置きは推奨できません。特に、気温と湿度が高くなる夏場は、細菌が繁殖しやすいので要注意です。作り置きしたEAAをワークアウトドリンクとして飲むときは、長時間の放置を避けましょう。
ジムなどの外出先でEAAを飲む場合はどうすればいいのか
ジムでのワークアウトドリンクにしたり、外出先でも飲んだりするために、EAAを「持参したい」とお考えの方もいるでしょう。
前述したように、細菌が繁殖する条件は温度(5℃~35℃)・水分の有無・たんぱく質などの栄養です。これらの条件がそろわないようにできれば、外出先へEAAを持参しても問題はありません。
手軽に実践できる方法の1つが、EAAと水を分けて持参する事です。粉末は乾いた密閉容器へ入れ、飲む直前に水と混ぜるようにすれば、ジムなどでも作り置きによるリスクをなくせます。
そのときに冷水(氷を入れた水でも可)を使うとEAAが常温に戻るまでに時間がかかるので、60~120分の長いトレーニングでもEAAを安心して飲む事ができます。常温の水しか用意できないときでも、細菌の繁殖に必要な「水分」と「栄養」を分けて保存できれば心配はありません。
山本義徳先生監修の「VALX EAA9」は、筋肥大に最適な栄養バランスを追求したEAAサプリメントです。水溶けが良くすっきりとしたシトラス風味(レモン味)なので、ワークアウトドリンクとの相性も抜群です。
EAAの適切な摂取タイミングとは
血中のアミノ酸濃度が低下しやすい「朝(起床直後)」「筋トレ前」「筋トレ中」は、EAAを摂取するのに絶好のタイミングです。
EAAは約30分で吸収されるので、筋トレ開始30分前にEAAを摂取しておけば、アミノ酸の低下で起こる疲労感の残りや筋肉破壊をカバーできます。起床直後やトレーニング時など、EAAを飲むタイミングに合わせてEAAを作れば細菌の繁殖を防ぐ事もできます。
しかし、EAAは大量に飲んでもその分の効果が得られるわけではありません。激しい運動をしない人であれば1日の摂取量は10g~15gが目安です。逆に激しい運動を行う人であったり、体重や筋肉量が多い人であれば、最大で20g~25gくらいまで摂取してもかまいません。
EAAの飲み方や摂取量は、以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
「温度・水分・栄養」の3条件がそろうなど、細菌が繁殖しやすい環境下での作り置きは、衛生面でのリスクが高まります。
細菌の繁殖が原因で起こる体調不良を回避するには、作り置きを避け、起床時の栄養補給で飲むほか、トレーニング中のワークアウトドリンクとして飲むたびにEAAを作るなど、こまめに作ることを心がけてください。
それでもジムなどにEAAの作り置きを持参する場合は、できる限り早く飲むように心がけてください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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