クレアチンとBCAAは、いずれも筋肥大やトレーニングのパフォーマンスアップに効果が期待できるサプリメントです。しかし効果が似ているため、どちらを飲むべきか迷っている人も多いでしょう。
そこで今回は、クレアチンとBCAAの働きの違いを中心に、2つのサプリメントを一緒に使う場合の注意点なども解説します。
クレアチンとは?
クレアチンは、筋肉を動かす際のエネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)の再生に関わるアミノ酸です。リン酸と結合したクレアチンリン酸として、おもに筋肉内に存在します。
クレアチンの働き
サプリメントを使用しない状態の場合、ATPは筋繊維内にごくわずかしか存在しないため、運動によりすぐに消費されてしまいます。しかし、ATPを素早く再生させる働きのあるクレアチンリン酸が十分に存在すれば、エネルギーの再生成がおこなわれるので、より長く(負担のある)トレーニングをおこなうことが可能です。
つまり、クレアチンを摂取すると短時間に利用できるエネルギー量が増加するため、筋肉トレーニングや短距離走など瞬発力や爆発的なパワーが必要とされる運動のパフォーマンスを上げる効果が期待できます。
その他、クレアチンには筋肉のたんぱく質の合成を高め、筋肉の分解を抑える作用が認められています。
クレアチンの摂取方法や摂取タイミング
クレアチンは、肉や魚などからある程度摂取できます。しかし、食品中に含まれる量が少ないため、体内のクレアチン量を効果的に増やしたい場合にはサプリメントの利用がオススメです。
体内にクレアチンを蓄積させて、効果を出すために1日3~5gのクレアチンサプリメントを毎日摂取します。クレアチンは、インスリンと呼ばれるホルモンにより筋肉内に運ばれるため、インスリンの分泌量が増える食後やインスリンの働きが高まっている運動中・運動後に摂取すると、効率良く吸収されます。
あまり運動をしない人の場合は、1回1gを常温の水100mlに溶かして毎食後に摂取します。トレーニングをする人の場合は、1日5gを目安にすると良いでしょう。ワークアウトドリンクとしてEAAなどと混ぜ、トレーニング中に少しずつ飲むのもオススメです。
BCAAとは?
BCAA(Branched-Chain Amino Acids:分岐鎖アミノ酸)は、必須アミノ酸の1種であるバリン・ロイシン・イソロイシンの3種類の必須アミノ酸の総称です。筋肉を構成するたんぱく質に含まれる必須アミノ酸の約35%を占めています。
BCAAの働き
運動をして血液中のアミノ酸が枯渇すると、身体はアミノ酸を得るために筋肉を分解してエネルギー源として利用し始めます。しかし、BCAAを摂取しておけば、それ自体をエネルギー源とできるため、筋肉の分解を抑えられます。
また、エネルギーの消耗によるスタミナ切れを起こしにくくなり、持久力のアップにもつながります。
さらに、BCAAには筋肉づくりのシグナルを送る役割もあり、壊れた筋組織の修復をうながし、筋肉をつけやすくする効果も期待できます。
その他、BCAAには脳内に疲労を感じさせる物質が流入することを抑える作用や、集中力を維持する作用も認められているため、メンタル面にも良い影響が期待できるでしょう。
BCAAの摂取方法や摂取タイミング
BCAAは、魚や肉、乳製品などから摂取できます。しかし、食品から摂る場合、吸収までに時間がかかるため、運動のタイミングに合わせて血中濃度を上げるのは困難です。
BCAAの運動に対する効果を引き出すためには、サプリメントを利用するのがオススメです。BCAAサプリメントの摂取は、運動前・運動中・運動後の3回に分けると良いとされています。
BCAAは摂取後30分ほどで血中濃度が高まります。したがって、運動の30分前にBCAAを摂取しておけば、運動開始直後から筋肉の分解を防ぐことができます。
また、運動中は、筋肉の分解抑制効果だけではなく、スタミナ切れを防ぐ効果を期待できます。
運動直後の摂取は、筋肉のたんぱく質合成が効率良くおこなわれるという研究結果が報告されています。
クレアチンとBCAAの違い
では、クレアチンとBCAAの違いをまとめてみましょう。
エネルギー供給に関わる作用
クレアチン:無酸素運動時のエネルギー供給をスムーズにします。筋細胞にクレアチン酸をたくさん蓄えることで、パフォーマンス向上や運動後の回復を早めてくれるでしょう。
BCAA:エネルギー源そのものとなります。体内への吸収スピードが早く、約30分でエネルギーになるのが特徴です。
運動に対する作用
クレアチン:短時間に大きい負荷がかかる運動のパフォーマンス向上が期待できます。トレーニング中でも筋肉が疲れにくくなるため、質の高いトレーニングが可能です。筋力や瞬発力を向上させる効果もあり、愛用しているアスリートも多くいます。
BCAA:持久力アップが期待できます。また、疲労のもとである乳酸の抑制も可能です。継続的に摂取することで効果はさらに高まり、パフォーマンスの向上にもつながります。
筋肉に対する作用
クレアチン:筋たんぱく質の合成を高め、分解を抑制する作用があります。また、トレーニング中のリカバリーにも効果的です。高負荷での運動が可能になるため、筋肉増量にもつながります。
BCAA:壊れた筋組織の修復をうながし、筋肉をつけやすくしてくれます。筋肉の分解を抑える働きもあるため、筋肉を増やししたい人にオススメです。
摂取タイミング
クレアチン:食後やトレーニング終了後に摂取することが理想的です。特に、トレーニング終了後は、糖質と一緒に摂取することで筋肉の分解が抑制されます。糖質の摂取によって分泌されるインスリンの作用で、クレアチンの吸収力が高まることからも、トレーニング後に糖質とセットで摂取するのが良いでしょう。
BCAA:BCAAは、摂取から30分後に血中濃度がピークになるため、トレーニングの30分前~トレーニング中に摂取するのが理想的です。
摂取量
クレアチン:1日の推奨摂取は、3~5gです。しかし、クレアチンを集中的に摂り、体内のクレアチン濃度を最大にする「クレアチンローディング」という飲み方をする場合は、短期間でトータル100gのクレアチンを摂ります(例:5日間で20gずつに分けて摂る)。大会や試合などの前に、一気に体内のクレアチン量を高めたい人にオススメです。
BCAA:1日の推奨摂取量は、15~30g前後です。5g~10gを、2~3回に分けて摂取します。
以上のように、クレアチンとBCAAはいずれもトレーニングに良い効果が期待できる栄養素ではあるものの、作用の内容や摂取タイミングなどが異なります。違いを理解しておくことで、両者の効果を活かせるようになるでしょう。
クレアチンとBCAAの効果的な併用方法
基本的には、クレアチンとBCAAを併用して飲んでも問題はありません。それぞれの吸収スピードに合ったタイミングでの摂取が効果的ではありますが、お互いが吸収スピードを妨げることはないため、飲む順番によって影響が出ることも少ないです。
ただし、サプリメントを併用する際は注意も必要です。
例えば、クレアチンには水分を保持する作用があり、飲み過ぎてしまうと一時的に下痢などを引き起こすことや、商品の原材料や添加物が身体に合わない可能性もあります。
初めて使うサプリメントはそれぞれ単体で摂取し、アレルギーなどの副作用が生じないことを個別に確認してから、一緒に使用するようにしましょう。
クレアチンを効果的に摂取できるサプリメント
肉や魚などに比較的多く含まれるクレアチンですが、食べ物から得られる量は限られています。そこで、筋力アップを目的にトレーニングしている人には、サプリメントからの摂取がオススメです。
ボディービル・パワーリフティング界のレジェンド、山本義徳先生が監修するサプリメントブランド『VALX』では、高純度のクレアピュア(R)を100%使用した『VALXクレアチンパウダー』を販売しています。徹底した品質管理のもとで製造されているため、安心して飲むことのできるサプリメントです。
1日約5gを目安に、水などと一緒に飲んだり、混ぜて飲んだりします。手軽に摂取できるため、無理なく続けられるでしょう。
まとめ
クレアチンとBCAAは、いずれも運動のパフォーマンスアップ効果が期待できるサプリメントです。特に筋肉トレーニングで筋肥大を目指す人は併用して、双方のメリットを活かすことをオススメします。
なお、サプリメントを選ぶ際には、品質や原料にも配慮しましょう。『VALXクレアチンパウダー』は、モノハイドレート純度99.9%のクレアピュア(R)を原料とした品質の高いサプリメントです。クレアピュア(R)は動物由来の原料を使用していないため、アレルギーのある人でも利用しやすいのが特徴です。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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