ダイエット

筋トレでダイエットが成功する理由を山本義徳先生が解説!

最近気がついたらお腹が出てきた、とお悩みではありませんか?もしあなたがただ単に体重を落としたいだけではなく、身体を引き締めつつ太い腕と胸板のある身体を手に入れたいのであれば、筋トレをすることでダイエット成功への近道となることでしょう。

ダイエットのための筋トレ

ダイエットを目的として筋トレをおこなう場合、まずは大きな筋肉から鍛えると効率良くダイエットを進めることができます。大きな筋肉を動かすほど消費されるカロリーも大きくなるためです。

また、大きな筋肉ほど身体の表層に付着している傾向があり、身体のシルエットに大きく関係します。筋トレをすることによって筋肉の形も変わるため、ダイエットに筋トレを取入れることで、ただ脂肪が落ちるだけではなく身体の見た目の印象も変わっていくでしょう。

まずは脚を鍛えよう

身体でもっとも体積が大きいのが脚の筋肉です。お尻の筋肉も含めると身体の大部分を占めます。ダイエットを目的とした筋トレには、脚の筋肉とお尻の筋肉を使うスクワットのような運動がベストです。

また、大きな筋肉を使うという意味ではデッドリフトも良いでしょう。使われる筋肉はスクワットと多く共通していますが、背面から見える脚の筋肉がより多く使われ、背中の筋肉も補助的に使われます。

しかし、スクワットとデッドリフトを同日におこなうのは避けた方が良いでしょう。両種目とも脊柱起立筋をはじめとした体幹を安定させる筋肉が多く使われ、さらに高重量を扱うことができるため、怪我のリスクが高くなってしまいます。

スクワットは脚の筋トレの日に、デッドリフトは背中の筋トレに日に、と間隔を空けておこなうようにしてください。

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肩の筋肉は意外に大きい

上半身の大きな筋肉として大胸筋や広背筋を挙げる人は多いですが、体積で考えると肩の筋肉である三角筋が上半身の筋肉のなかで最大です。三角筋を全体的に鍛える種目としてはアップライトロウがオススメです。

また、大胸筋や広背筋も大きな筋肉に分類することができます。鍛えることで身体の見た目にも影響する筋肉でもあるので、筋トレで鍛えたい部位としてとても人気です。大胸筋の種目としてはベンチプレス、広背筋の種目としてはチンニングが代表的です。

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筋トレでダイエットに成功する理由

身体に蓄えられている脂肪の正確な名称は中性脂肪と言います。中性脂肪は、脂肪酸が3つとグリセロールが合わさった構造をしており、エネルギーとして消費するためにはまず脂肪酸とグリセロールを切離す必要があります。切離すときに必要になるのが、ホルモン感受性リパーゼと呼ばれる、中性脂肪を分解するための酵素です。

ホルモン感受性リパーゼを活性化させるためには、筋トレの刺激が有効です。アドレナリンや成長ホルモンなどの筋トレをすることによって分泌されるホルモンが、ホルモン感受性リパーゼを活性化してくれます。

筋トレの刺激は筋肉を発達させるだけではなく、脂肪を分解するスイッチでもあるということです。

筋肉を増やせばダイエットに有利

さらに、筋トレをすること自体だけではなく筋トレをした結果、筋肉量が増えることもダイエットには有利に働きます。筋肉が増えることで基礎代謝が増えて脂肪が落ちやすくなるということは、一般的にも良く言われます。

さらに、筋肉が増えるとその増えた筋肉を維持するために内臓も発達し、それに伴い血液も多く必要になります。それらの影響を含めると、筋肉量が1kg増えると身体が消費するカロリーは1日に50kcal増えると言われています。

筋トレで筋肉量がもし3kg増えたとしたら、1日に消費するカロリーは150kcal増えます。これはご飯一杯分ほどに相当します。これが1週間・1か月・1年と筋トレを取り入れたダイエットを継続すれば、消費するカロリーが多いぶん体重も落としやすくなります。

筋肉量を落とさないための食事のポイント

いくら筋トレをしていても、ダイエットを成功させるには、正しい食事が必須です。食事をまずはたんぱく質中心に切替えてみましょう。

タンパク質を確保する

体脂肪を減らすためには、摂取カロリーを減らすことがなによりも重要です。とはいえただ摂取カロリーを減らしただけだと、筋肉の量まで減ってしまう恐れがあります。筋肉を落とさないためにはタンパク質の量をしっかりと確保しましょう。

たんぱく質の量が足りないと、身体は筋肉などを分解して必要なアミノ酸を取出してしまうので、まずはたんぱく質を十分な量摂ることを第一に考えましょう。

体重を増やすバルクアップ目的で食事を多めにとる場合は、摂ったたんぱく質が有効に使われるため、たんぱく質の量は少なくて済みます。しかし、ダイエットをする場合は筋肉が分解されやすい状態のため、たんぱく質を多めに摂る必要があります。

ダイエット中であっても体重×2.5〜3gほどを目安に、多めのたんぱく質を摂取をしてください。

トレーニングと食事のタイミングについて

運動をおこなったあとは、食べた栄養が筋肉に行きやすい状態となっています。逆に運動をしないで食べると、栄養は筋肉ではなく脂肪に蓄えられやすくなってしまいます。つまりトレーニングのあとに食事を摂った方が、体脂肪は増えにくいということです。

同じカロリーだったとしても、トレーニングをした後に食べるのとトレーニングをしない日に食べるのでは、栄養が筋肉で使われるか脂肪として貯められるかというように、栄養素の使われ方が変わってしまうということになります。

1日のうちでボリュームの多い食事は、出来るだけトレーニングの後に摂るように、可能なかぎりスケジュールを調整してみるのも良いでしょう。

筋トレダイエットに組合わせたいサプリメント

ダイエットのために食事量を減らすと、同時に必要な栄養素も不足しやすいという問題がおこります。そこで積極的に活用したいのがサプリメントです。ダイエット食では不足しやすいたんぱく質や、筋肉の分解を防ぐアミノ酸を補うことで、より効率よくダイエットを進めることができます。

プロテイン

サプリメントとして必ず摂りたいのが、プロテインです。プロテインはたんぱく質を余分なカロリーを摂ることなく、効率的に摂取できるサプリメントです。ダイエットのときはたんぱく質の必要量がさらに多くなるため、食事で摂りきれない分をプロテインで簡単に補うことができます。

グルタミン

減量をするときには、筋肉量が落ちないように気をつける必要があります。筋肉が落ちないようにするためのサプリメントとして筆頭にあげられるのがグルタミンです。

ダイエット中は食事で摂るカロリーも少なく、エネルギー不足に陥りやすい状態です。不足したアミノ酸は分解された筋肉から取出されて補われますが、この時に一番使われるのがグルタミンというアミノ酸です。

そこで、グルタミンをサプリメントで摂取しておくことで、エネルギーが不足していても筋肉を分解から守ることができます。

トレーニングの直後は特に筋肉の分解が進みやすい状態です。トレーニングが終わったらすぐにグルタミンを5gは摂るようにしましょう。

カルニチン

中性脂肪から分解された脂肪酸は、血液を介して運搬され、ミトコンドリアという細胞内の器官で身体を動かすエネルギー源を生み出します。そして、脂肪酸がミトコンドリアの中に入るときに必要になるのが、カルニチンです。つまりカルニチンは、分解された体脂肪が燃焼されるのをサポートしてくれる成分です。

体内でもカルニチンは合成されますが、20歳をピークに合成される量はどんどん減ってしまうと言われています。体脂肪は分解されても、燃焼のプロセスまでたどり着かなければ、また元通りになってしまいます。適切な食事をとり、さらに筋トレの刺激で体脂肪の分解を促した上でカルニチンを摂取すれば、体脂肪が減るのをサポートしてくれます。

まとめ

筋肉量が多ければ多いほど、ダイエットをスムーズに進めることができ、ただ痩せているだけではない筋肉質でしかも脂肪を燃焼しやすい身体になることができます。

筋トレがダイエットに及ぼす効果は、次の3つがあげられます。

・ホルモン感受性リパーゼが活性化し脂肪の分解が進む
・筋肉量が増えることで日常的な消費カロリーが多くなる
・面積の大きな筋肉を鍛えることで身体の見た目に変化が起きる

筋トレ・食事・サプリメントの3つを意識して、ぜひ筋トレを取り入れたダイエットに挑戦してみてください。

監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

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