アミノ酸

アミノ酸を取りすぎると肝臓に負担?気になる腸内環境へ影響とは【山本義徳監修】

筋肉はもちろん、身体づくりに欠かせないのがたんぱく質です。そしてそのたんぱく質を構成するのがアミノ酸なのですが、身体に必要だからといって、たくさん摂取してもいいのでしょうか。

アミノ酸の過剰摂取は、肝臓などに負担がかかる恐れがあるとされており、あまりオススメできません。

そこで今回は、アミノ酸を過剰摂取したときに考えられる身体への影響と、適正量を上手に摂る方法について解説します。

大人が1日に必要なアミノ酸の量とは

アミノ酸は必須アミノ酸と非必須アミノ酸の2種類に分かれ、必須アミノ酸に関しては体内で生成できないため食事などから摂取しなければいけません。

また、アミノ酸が元となるたんぱく質は体内で毎日合成と分解を繰り返しているため、しっかり供給できないと身体づくりにも影響が出てしまいます。そのため日々の摂取が大切となります。

では、大人一人あたりで1日にどれだけの必須アミノ酸を摂取しないといけないのでしょうか。

国際機関(WHO ・FAO・ UNU)が、2007年に定めた指標によると、大人が必要な1日あたりのアミノ酸の目安量としては、9種類の必須アミノ酸合計で184mgとされています。

ただしこの数値はあくまで基準であり、年齢・健康状態・運動の強度などによって適切なアミノ酸量は変動するので注意が必要です。
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アミノ酸を摂りすぎるとどうなる?

基準を大幅に超えて、過剰に摂りすぎたアミノ酸は体外へ排出されます。しかし、消化吸収の過程で、内臓への負担・脂肪の増加・腸内環境の乱れなどの影響が見られる場合があるため、注意が必要です。

肝臓や腎臓に負担がかかる

摂取したたんぱく質は、通常は合成と分解を繰り返します。しかし、余分となったたんぱく質は体内で窒素に変換され、体外へ排出されようとします。

体内で不要となった窒素はアンモニアに変わり、さらに尿となって体外へ排出されます。この過程で重要な役割を果たすのが、肝臓と腎臓です。

アンモニア自体は人体にとって有害な物質のため、体内ではまず肝臓で無害の尿に変換され、そして腎臓から尿が排出されます。

つまり、たんぱく質の摂取が多くなればなるほど、窒素からアンモニア、アンモニアから尿への変換作業が多くなってしまい、肝臓や腎臓への負担が増えてしまうことになるのです。

脂肪が増える

たんぱく質が豊富に含まれている食材のなかには、カロリーが高いものも多いものです。そのため、カロリーが1日の基準値を超えてしまい、結果的に脂肪が増えてしまうことがあります。

例えば肉や卵は良質なたんぱく質を含む食材ですが、カロリーも高めです。過剰に摂取するとすぐにカロリーオーバーになってしまいます。

また、食材自体は高たんぱく低カロリーでも、揚げたり、調味料が多かったりなどでカロリーが上がってしまうこともあります。

食材や組合わせ、調理法に気を配ることでカロリーを抑えることが可能です。たんぱく質中心の食生活にもかかわらず、脂肪が増えてしまったという人は、一度食生活を見直してみるのもよいでしょう。

腸内環境が乱れる

人間の大腸の中には、腸内フローラ、いわゆる腸内細菌がいます。その数は、約1,000種類、100兆個といわれており、善玉菌・悪玉菌・日和見菌(どちらでもない菌)の3種類に分かれます。

3つの菌のなかで悪玉菌は少数です。しかし、たんぱく質の摂取が多くなると、余分なたんぱく質をエサに悪玉菌が増殖し、善玉菌の働きを阻害するため、腸内の環境が乱れてしまいます。

腸内環境の乱れは、肥満・ガン・動脈硬化や、食中毒などの感染症への免疫低下などと密接な関係があるといわれているため、健康への影響も大きいといえるでしょう。

腸内の環境が乱れているかどうかは判断が難しいものですが、便を見ればわかることもあります。便の色が黒っぽく、臭いがキツい場合は腸内環境に乱れが生じている可能性が高いでしょう。

アミノ酸サプリの過剰摂取は下痢や軟便になることも

アミノ酸サプリは吸収が早く、さらに分解を必要としないため直接腸まで届きます。そのため、大量に摂取すると、腸内の物質濃度が高まってしまうことから濃度を下げようと腸に多くの水分が引き込まれます。

すると、大量に溜まった水分を体外へ排出しようと働きかけるため、下痢を起こしやすくなるのです。

また、プロテインやサプリメントのなかには、飲みやすくするため人工甘味料が使用されている場合もあります。この人工甘味料の成分も多量に摂取するとお腹がゆるくなる原因とされています。

このほか、過剰摂取が原因でなくても下痢を起こすこともあります。

例えばホエイプロテインやカゼインプロテインは牛乳をベースに作られているため、牛乳成分を分解する酵素がない、乳糖不耐症の人は下痢を起こしやすいでしょう。

一方で、植物由来のソイプロテインであっても大豆に含まれるレクチンという成分が含まれています。レクチンも人によっては消化が難しいとされており、アレルギー反応の形で下痢となる場合があります。

過剰な摂取によってさまざまな影響が起こることが考えられるため、摂取する際は適正な量を守るようにしましょう。

乳糖不耐症については以下の記事を参考にしてください。

【乳糖不耐症】ホエイプロテインによる胃痛や下痢の原因を解説ホエイプロテインを摂取するようになってから「胃痛や下痢が増えた」と感じる人は少なくありません。なぜホエイプロテインを摂取すると、胃痛や下...

プロテインの過剰摂取の影響については以下を参考にしてください。

プロテインの摂りすぎによる症状とは?過剰摂取の目安を知ろう【山本義徳監修】筋肉など身体を作るもととなるたんぱく質を効率良く摂れるプロテインは、ハードなトレーニングの合間などに意識して摂取したいところです。しかし...
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アミノ酸は不足も摂りすぎもNG!毎日適量を摂取するには?

過剰摂取による身体への弊害についてのべてきましたが、アミノ酸が筋肉を作り、さらに筋肉の分解を防ぐために必要不可欠な栄養素であることは間違いありません。

とくに筋トレするのであれば、たんぱく質の合成と分解が多くなるためなおさらです。
そのため、摂りすぎも良くありませんが、不足しないようにも意識しましょう。

毎日適正とされる量を守って摂取すれば、アミノ酸が持つ効果を実感でき、筋トレの成果もより上がるはずです。

それでは、アミノ酸を適切に摂るための具体的な方法について解説します。

筋トレとアミノ酸の関係については以下の記事を参考にしてください。

筋トレとアミノ酸の関係とは?EAAやBCAAって何?【山本義徳監修】効率の良いバルクアップの方法を調べると、アミノ酸の摂取が筋トレに効果的だという情報が見つかります。また、EAAやBCAAなどといった略語...

たんぱく質の量を意識したバランスのいい食事を心がける

1日に必要なたんぱく質量は男性(18歳以上)60g、女性(18歳以上)50gが推奨されています。

しかし、これはあくまで一般的な成人の指標であり、運動習慣がある人はさらに多くのたんぱく質を摂取したほうがいいでしょう。身体を動かすことで筋肉の合成と分解が活発となり、その分たんぱく質が必要となるからです。

運動目的にもよりますが、例えば筋肉をつけたいと考えているのならば、体重1kgにつき1.2g~2gのたんぱく質を1日摂取するようにしたほうがいいとされています。

しかし、単にたんぱく質の摂取量を上記の目安にするだけでは、不十分の場合もあります。たんぱく質をさらに細かく考えると必須アミノ酸の量もポイントになり、食品選びによっては高たんぱく質であってもアミノ酸の偏りが出る場合もあるからです。

食事内容を決めるときには、たんぱく質の含有量だけでなく、アミノ酸スコアを参考に食品を選ぶのがオススメです。

アミノ酸スコアとは、たんぱく質と必須アミノ酸含有量のバランスを示す指標であり、スコアが100に近づくほど良質なたんぱく質だと考えられています。卵や鶏肉などはアミノ酸スコアが100であり、魚介類にも100の食材が多くあります。

また、100に満たない食品であっても、組合わせ次第でバランスが取れますので、食材選びの参考にしてみてください。

【解説】アミノ酸スコア100の食品はどれ?良質な栄養で筋肉アップ【山本義徳監修】トレーニーにとって、筋肉量アップのために、たんぱく質を補給は欠かせないものです。 しかし、そのたんぱく質のアミノ酸スコアは何点か考えた...

足りないアミノ酸をサプリメントで補う

毎日の食事からでは、どうしてもバランス良くアミノ酸を摂取するのが難しいものです。そんなときは、EAAサプリを活用してみましょう。
必須アミノ酸を効率良く、手軽に摂取できるためオススメです。

そして、数あるサプリメントのなかでオススメなのが、サプリメント博士として名高い山本義徳先生が監修した『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』です。

『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』は、BCAAを含む9種の必須アミノ酸が十分に配合されています。選べる風味はでシトラス・コーラ・パイナップルの3種類。トレーニング中のワークアウトドリンクとして非常に適しています。

1回あたりの必須アミノ酸は14,650mg(うち BCAAは9,000mg)、非必須アミノ酸であるβアラニンは3,000mg配合と贅沢な成分比率となっており、効果を実感していただきやすい内容になっています。

まとめ

アミノ酸は過剰に摂取してしまうと肝臓や腎臓への負担につながります。また、摂取する食材によっては脂肪が増えてしまう可能性や、腸内環境の乱れを誘発することも起こりえます。

しかし、身体を作るうえでアミノ酸は必要不可欠な栄養素になります。過剰摂取も問題ですが、不足しすぎるのも良くありません。

アミノ酸スコアの高い食品を上手く食事に取入れる、あるいは『VALX EAA9(イーエーエーナイン)』のようなアミノ酸の摂取効率の良いサプリメントを賢く活用し、理想の身体づくりを目指しましょう。

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監修者情報

山本義徳

山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。

一般社団法人 パーソナルトレーナー協会 理事

【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下) 
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる

【You Tube】
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