「ハードゲイナーの食事はどのようにすれば良いの?」「メニューや回数、方法は?」と考えている人も多いと思います。ハードゲイナーは消費カロリーが多く、胃腸の栄養吸収効率が低いため、筋肉を大きくしたい場合は食事に配慮が必要です。
そこで、この記事ではハードゲイナーが体重・筋肉を増やすための食事方法、オススメの食材・食事メニューをご紹介します。調理法もあわせて解説しますので、筋肉を増やしたいハードゲイナーはぜひ参考にしてみてください。
なお、ハードゲイナーが筋肉をつける方法について、詳しくは以下の動画もあわせてご覧ください。
ハードゲイナーが体重・筋肉を増やすための食事方法
最初に、ハードゲイナーが体重・筋肉を増やすための食事方法を見ていきましょう。
ハードゲイナーとは筋肉が大きくなりにくい人を指す言葉です。筋肉が大きくなりにくい原因は、消費カロリーが多いこと・胃腸の吸収効率が低いことだといわれています。
ハードゲイナーが体重・筋肉を増やすためには、以下のとおり摂取カロリーを増やすこと・3大栄養素のバランスを取ることが大きなポイントとなってきます。
消費カロリー < 摂取カロリーが絶対
ハードゲイナーが筋肉を大きくするためにまず絶対に必要なのは、「消費カロリー < 摂取カロリー」の状態、消費カロリー以上のカロリーを摂取することです。
具体的な摂取カロリーの目安としては、「1日の消費カロリー + 500kcal」とするのが一般的です。この式にある1日の消費カロリーは「基礎代謝 × 生活活動強度指数」で求められます。基礎代謝は以下のようなサイトで計算できます。
生活活動強度指数は、あまり動かない生活をしているなら1.3、ハードなトレーニングをしているなら1.9とするのが良いでしょう。
まずは上の計算式で、自分が摂取すべきカロリーがどれくらいかを把握するのが大切です。
ただし、ハードゲイナーは前述のとおり、消費カロリーが多く、胃腸の栄養吸収効率が低いという特徴があります。
そのため、上の基準より多めのカロリーを摂取したほうが良いでしょう。
食事の回数を増やして総摂取カロリーを増やす
ハードゲイナーの場合には、1日の総摂取カロリーを増やすためには、食事の回数を増やすことがオススメです。
その理由は、まずハードゲイナーは胃腸の栄養吸収効率が低いため、一度にたくさん食べても栄養として吸収しきれず、多くは無駄になってしまうからです。
また、一度にたくさん食べてしまうと、ただでさえ低い消化・吸収能力をさらに低下させてしまうことも考えられます。
そのため、ハードゲイナーは1日に5~6回に分けて食事を摂るのがオススメです。
一食で500kcalを摂取すると考え、それを1日に6回食べれば、3,000kcalを摂取できることになります。
3大栄養素のバランス
筋肉を大きくするためには、3大栄養素のバランスに気を使うことも大切です。
3大栄養素とは炭水化物・脂質・たんぱく質のこととなり、「炭水化物4~5・脂質2~3・たんぱく質3」の割合を目安にするのが良いでしょう。
筋肉を作るための材料となるたんぱく質が、筋肉を大きくするために重要なのはいうまでもありません。しかし、たんぱく質ばかり摂っても筋肉は大きくなりません。
炭水化物をしっかり摂ることが大切です。
炭水化物は摂取されると、グリコーゲンとなって筋肉・肝臓に貯蔵されます。貯蔵されたグリコーゲンは、トレーニングの際のエネルギー源として消費されます。
炭水化物は、脂質・たんぱく質とは異なり、消化が良いものが多いため量を食べやすいのが特徴です。カロリーを確保するために最適な栄養素といえるでしょう。
ハードゲイナーにオススメの食材・食事メニュー
それでは、ハードゲイナーにオススメの食材・調理法をご紹介します。
ハードゲイナーが筋肉を大きくするための食事として重要なのは、上で見たとおり3大栄養素がバランス良く含まれていること、それからあまり油っこすぎず消化・吸収が良いことです。
以下の食材・調理法は、いずれもその条件を満たしたものとなっています。
米
お米は日本人にとって最も身近な炭水化物といえるでしょう。
お米を、炊いてからさらに煮込むリゾットにすると消化が良くなり、ハードゲイナーの食事としてオススメです。
【調理法:鶏むね肉とキノコのリゾット味噌チーズ味】
- ご飯300gをさっと水洗いしてぬめりを取る。
- フライパンに、オリーブオイル大さじ1/2を入れてにんにく1片(みじん切り)を炒め、次に鶏むね肉200g(2cmほどの角切りにし塩を振る)・玉ねぎ50g(みじん切り)・エリンギ50g(食べやすい大きさ)・ご飯の順に炒める。
- 牛乳300ml・味噌大さじ1・塩小さじ1/2を加え、水分が少なくなるまで煮る。スライスチーズ・卵黄をのせ、黒こしょうとパセリを散らして食べる。
餅
お餅も、消化が良くカサが少なくてたくさん食べられるため、ハードゲイナーでも炭水化物をたくさん摂取できます。
また、もち米はアミロペクチンが多く、消化酵素が働きやすいのが特徴です。消化酵素が働きやすいと吸収が速くなり、その意味でもハードゲイナーに向いています。
【調理法:餅のベーコン巻き】
- 切り餅2個はそれぞれ縦半分に、ベーコン2枚は半分に切る。
- 切り餅にベーコンを巻いて楊枝で留める。
- フライパンを中火にかけて油を引いて、表裏それぞれを2~3分ずつ焼く。塩こしょうを振って食べる。
うどん
うどんもやはり消化が良く、吸収が速い食材です。
うどんの調理法としては、たんぱく質も一緒に摂れる、肉うどんがオススメです。
【調理法:肉うどん】
- 食べやすい大きさに切った牛または豚の薄切り肉200gと、水・酒・みりん・砂糖・しょうゆ各大さじ2・顆粒和風だし小さじ1を鍋に入れて中火にかけ、煮汁が少なくなるまで煮る。
- 水800cc・しょうゆとみりん各大さじ1+1/3・顆粒和風だし大さじ1・塩小さじ1/4を鍋に入れて煮立て、うどん2玉を加えてさらにひと煮立ちさせて器に盛る。
- 1の肉をうどんの上にのせ、小ねぎなどを散らして食べる。
パスタ
パスタは米と比べてたんぱく質が多く含まれるため、筋肉をつけるための食事としてオススメです。ただし、調理法に関しては注意が必要となってきます。
カルボナーラなどの油っぽいパスタだと、消化に時間がかかります。スープパスタのようにあっさりとしたものが良いでしょう。
【調理法:キャベツのスープパスタ】
- スパゲティ100gは、1,000mlに対して小さじ2の塩を入れたお湯で、パッケージの表記より1分短い時間でゆで、ザルに上げる。キャベツ2枚はざく切り、薄切りベーコン2枚は1cm幅、玉ねぎ1/4個は薄切り、にんにく1片はみじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイル大さじ1を引き、にんにくを加えて中火で熱する。香りが立ってきたらベーコン・キャベツ・玉ねぎを加えてさらに炒める。
- しんなりしたら水400mlを加え、ひと煮立ちしたらスパゲティ・コンソメ顆粒小さじ1・塩小さじ1/3・黒こしょう小さじ1/3加えて1分ほど煮る。器に盛り、乾燥パセリを散らして食べる。
鶏ささみ
鶏ささみは高たんぱく質なうえに低脂肪で消化が良く、筋肉を大きくしたいハードゲイナーにとってまさにうってつけの食材です。
さっとゆで、ねぎ塩にして食べるとおいしいでしょう。
【調理法:鶏ささみのねぎ塩】
- 鶏ささみ3本は、フォークなどを使って筋を取り、たっぷりの水を入れた鍋に入れて強火にかける。沸騰したら火を止めて放置する。
- 放置しているあいだに、みじん切りにしたねぎ1/2本をボウルに入れ、ごま油大さじ2~3・塩小さじ1/4・こしょう少々を加えてよく混ぜる。
- ゆでたささみの水気を切り、食べやすい大きさにちぎって皿に盛り、2をかける。好みで黒こしょうを振って食べる。
卵
卵は、良質なたんぱく質を含みながら価格は安く、また調理も比較的簡単です。単独で食べるほか、チーズや鶏肉などと組合せるのも良いでしょう。
卵を単独で食べる場合は、目玉焼きやスクランブルエッグが定番といえる調理法です。
ですがここでは、栄養の吸収率が高い半熟煮卵の調理法をご紹介します。
【調理法:半熟煮玉子】
- 冷蔵庫から出したての卵6個を沸騰した湯にゆっくり入れ、7~8分ゆでる。
- 卵をゆでているあいだにタレを作る。鍋にしょうゆ大さじ4・水大さじ3・みりん大さじ2・砂糖大さじ1を入れて火にかける。煮立ったら火を止め、そのまま粗熱を取る。
- ゆでた卵をすぐに冷水にとって冷ましたら殻をむき、食品用のポリ袋などに②のタレと一緒に入れ、空気を抜くようにしながら封をする。1~3時間冷蔵庫に入れて味をなじませる。
- 冷蔵庫から出して皿に盛り、タレを少しかけて食べる。
プロテイン
食事では摂りきれないたんぱく質を補うためには、プロテインを活用するのも良いでしょう。
ハードゲイナーにオススメのプロテイン活用法は、プロテインと果物・アイスクリーム・はちみつなどをミキサーにかける「マッスルシェイク」です。たんぱく質とカロリーを一度にたくさん摂取できます。
または、市販品の高カロリー食「ウエイトゲイナー」を利用するのも良いでしょう。
マッスルシェイク・ウエイトゲイナーについては、以下の記事で詳しく解説しています。
それでは、オススメのプロテイン商品3点をご紹介していきましょう。
VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト
『VALX ホエイプロテイン WPI パーフェクト』はプロテイン以外の材料を最小限にし、たんぱく質としての純度を高めた商品です。
一般的なプロテイン商品はたんぱく質以外の成分を多く含んでしまっています。
それに対してこの商品は、WPI(ホエイプロテインアイソレート)製法によりたんぱく質含有量を96.4%(プレーン味)にまで高め、「これぞプロテイン」といえる商品です。
もちろん、日々摂るものとして手頃な価格にもこだわっています。
VALX ホエイプロテイン
『VALX ホエイプロテイン』は毎日飲むものだからこそ、続けやすい価格にこだわった商品です。
もちろん価格だけではありません。フレーバーにもとことんこだわり、水でおいしく飲める味が追求されています。
独自の配合で溶けやすさを実現し、泡立ちや粉っぽさも抑えられました。
ベースとなるサプリメントとして日々使用できる商品です。
まとめ
ハードゲイナーが体重・筋肉を増やすためには、消費カロリーより摂取カロリーが多いことが絶対的な条件です。食事の回数を増やして総摂取カロリーを増やすとともに、3大栄養素のバランスにも配慮しましょう。
ハードゲイナーにオススメの食材は、米・餅・うどん・パスタ・鶏ささみ・卵などとなります。あまり油っこくならないように調理して、消化・吸収を良くすることも大切です。
食事では摂りきれない栄養素を補うためには、プロテイン、あるいはプロテインに高カロリーの食材を加えたマッスルシェイクも良いでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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