糖質制限に脂質制限など、ダイエットにはさまざまな方法があります。情報が多すぎて自分に合っている方法はどれなのか、悩む人も多いでしょう。
今回の記事では、「高たんぱく低脂質」な食材に注目し、効果的な食べ方・メニューを紹介します。解説者は、トップアスリートも指導するトレーナー界のレジェンド、山本義徳先生です。
高たんぱく低脂質食材で期待できる効果や、具体的な摂取方法・ポイントが理解できる内容です。ぜひご一読ください。
脂質摂取を抑える「ローファットダイエット」は、以下の記事でも詳しく解説しています。
高たんぱく低脂質な食材は身体の材料になる
高たんぱく低脂質食材は、カロリーをコントロールしながらしっかりたんぱく質を摂りたい人にオススメです。最初に、たんぱく質の役割と必要性を理解しておきましょう。
たんぱく質は身体の材料
身体の約60%は水分、15~20%がたんぱく質でできており、水分を除くと重量の約半分はたんぱく質です。
たんぱく質は筋肉・臓器・骨・血液・肌・髪・爪の材料となるだけでなく、ホルモン・酵素・免疫物質なども作ります。さらに、栄養素の運搬をおこない、エネルギー消費の際には、アミノ酸としてエネルギーの一部にもなります。
アミノ酸の種類と働き
たんぱく質は20種類のアミノ酸の配列で構成されます。9種類のアミノ酸は必須アミノ酸で体内合成ができないため、食事からの摂取が欠かせません。残り11種類のアミノ酸は体内で作り出せる非必須アミノ酸です。
必須アミノ酸「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」はBCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれ、筋肉のエネルギー代謝・合成に深く関わります。免疫力との関連性が注目されている非必須アミノ酸「グルタミン」、睡眠の質の改善が期待される非必須アミノ酸「グリシン」など、各々のアミノ酸の働きは多様です。
たんぱく質不足の影響
たんぱく質の摂取が十分でないと、筋肉量低下につながります。トレーニングなどで筋たんぱく質が分解された場合は、たんぱく質の摂取量を増やさないと筋肉の修復が進みません。
脂質過多の影響
体温維持・肌のうるおいのために適度な脂質は必要ですが、脂質はたんぱく質と比べて1g当たりのカロリーが高く、カロリー過剰になりがちです。筋肉を維持・発達させながらウエイトをコントロールしたい人は、高たんぱく低脂質の食材を取入れるのが良いでしょう。
毎日摂りたい高たんぱく低脂質な食材
カロリーを抑えつつ、たんぱく質をしっかり摂取するには、「高たんぱく低脂質」が最適です。ジャンル別に高たんぱく低脂質食材を紹介します。食事の参考にしてください。
肉類
種類や部位によって脂質にかなり差があります。
鶏肉
ムネ肉と、ムネ肉の一部のささみが、特に高たんぱく低脂質です。鶏皮は脂質が多いため、調理の際に取り除きましょう。
赤身肉
牛肉・豚肉の赤身肉は、ロース・バラ肉よりたんぱく質が多めで脂身は控えめです。積極的に食べましょう。牛肉ならモモ・ヒレ・ランプ、豚肉はモモ・ヒレが赤身肉です。
羊肉は高たんぱくなうえに、その脂質は鶏肉・豚肉・牛肉より融点が高く、体内で消化吸収されにくいといわれています。
魚介類
多くの魚介類は高たんぱく低脂質です。刺身・煮魚・焼魚など、油を使わない調理法が多い点も魅力です。保存がきく缶詰タイプなら価格も安定しています。
ただし、脂ののった魚の脂質はかなり高めです。秋のサンマや冬のブリなどは、食べ過ぎないようにしてください。
ツナ
保存できてすぐに食べられる手軽さが人気です。油を使わないノンオイルの水煮タイプツナを選びましょう。サラダ・サンドイッチはもちろん、和物・煮物・パスタ・炊き込みご飯など、さまざまなメニューに使える頼りになるアイテムです。
かまぼこ
原材料が「魚のすり身」のかまぼこは、低脂肪でたんぱく質が豊富です。良質な脂肪酸も含んでいるため、そのまま使用できるうえ、茶碗蒸し・麺類の具材としても欠かせません。
豆類
豆腐をはじめとした大豆製品は積極的に摂りたい低脂質の植物性たんぱく質です。しかし、油揚げは「揚げ物」になるので、注意してください。
納豆
納豆は、植物性たんぱく質はもちろん、カルシウム・鉄分などミネラルも豊富な食材です。納豆に含まれるビタミンKは骨のなかのたんぱく質活性化効果があるといわれており、骨の形成促進効果も期待できます。
豆乳
未開封なら常温保存ができる便利なアイテムで、牛乳が苦手な人にもオススメです。料理にも幅広く使えますが、加熱しすぎると成分が凝固する場合もあり、注意しましょう。「あとから入れる」「沸騰させない」がポイントです。
乳製品
牛乳・ヨーグルト・チーズなど、乳製品は高たんぱく食材ですが、より脂質を抑えたい人は、低脂肪・無脂肪タイプを選びましょう。
牛乳
牛乳にはたんぱく質吸収に役立つミネラルが豊富で、骨を作る際に必要なカルシウムなども摂取できます。そのままはもちろん、各種料理に欠かせない食材で、プロテインを溶かすのに利用するのもオススメです。
原料が生乳100%のもののみ「無脂肪牛乳」と表記でき、表記が「無脂肪乳」の場合は生乳以外の乳製品も使われています。低脂肪タイプの定義も同じです。
高たんぱく低脂質な食品に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
高たんぱく低脂質な食材を効率良く摂取する食べ方
調理法・食べ方を工夫すると、高たんぱく低脂質食材の特長が活かされます。基本的にたんぱく質は植物性・動物性を組合わせると栄養バランスが整いやすいので、食材のローテーションを意識し、かたよりのない食事内容にしましょう。
脂質の多い脂身や皮を取り除く
肉類・魚類の脂身・皮には、多くの脂質が含まれます。脂身・皮は可能な限り取り除きましょう。ささみ・ムネ肉も、皮・脂肪を取り除くとさらに低脂質になります。
調理法を工夫する
調理法でも脂質は取り除けます。「蒸す」「ゆでる」などの調理法がオススメです。電子レンジ・オーブンも余分な油を使わずに調理できます。炒め物を楽しみたい場合は、油が少量で済むフッ素樹脂加工のフライパンを使いましょう。
ビタミンB6を含む食材と一緒に食べる
高たんぱく低脂質の食材ばかり摂取すると、栄養バランスが崩れて体調に悪い影響が出るリスクがあります。ミネラル・ビタミンも含めたバランスの良い摂取が健康維持につながるでしょう。
たんぱく質の代謝・分解に必要なビタミンB6は、たんぱく質の摂取量に合わせて摂ってください。ビタミンB6は肉・魚などの動物性食品以外に、サツマイモ・アボカドなどの植物性食品に含まれていますが、体内利用効率が高いのは動物性食品といわれています。
ビタミンB6を豊富に含む代表的な食材は、牛・豚のレバー、鶏ささみ、マグロの赤身・カツオ・サバ・鮭などです。
ミネラルを含む食材と一緒に食べる
たんぱく質の吸収を良くするためには、ミネラルも欠かせません。いわゆる「赤身」は、ミネラルを多く含みます。牛肉ではランプ・モモ、豚肉ならヒレ・モモです。魚類ではイワシ・ブリ・マグロ・カツオ・アジ・サンマなどが赤身に分類されます。
高たんぱく低脂質な食材を使った簡単メニュー
高たんぱく低脂質な食材を使って簡単に作れるメニューを紹介します。基本を押さえ、家にある材料を上手く使って調理しましょう。
「高たんぱく低脂質」メニューをおいしく続けるポイントは、各ジャンルの食材をローテーションで使うことです。自然に栄養バランスが整い、飽きずに楽しく食べられます。
鶏肉と豆腐の塩鍋
ほうれん草・しめじ・えのき・椎茸などを加えれば、栄養バランスの良い一品になります。味つけを薄めにしておき、柚子胡椒・ポン酢などで頂くのも良いでしょう。
1. 鶏モモ肉の脂身・皮を取り除く
2. 鍋に白だしを入れて一煮立ちさせる
3. 鶏肉・豆腐・野菜・キノコを入れて火を通す
ツナの混ぜご飯
ツナはノンオイルタイプを使います。冷めてもおいしく、おにぎりにするのもオススメです。醤油・みりんの代わりに、塩昆布を使ってもおいしく頂けます。お米に押し麦を混ぜ梅干し・白ゴマ・大葉で仕上げると、さっぱりとした味わいで暑い時期にぴったりです。
1. 米はといでザルにあげておく
2. ツナの水気を切る
3. しめじ・にんじんなどを加えるのもオススメ
4. 醤油・みりんを加えて米の量に合わせて水を加えて炊く
エビとそらまめの炒め物
炒め物は脂質量が気になりますが、焦げつきにくく油が少量で済むフッ素樹脂加工のフライパンなら低脂質の炒め物が可能です。
1. エビは背ワタを取り除き、塩・コショウで下味をつける
2. そらまめは、さやから取り出し、薄皮をむく
3. 少量の油でそらまめを炒め、フライパンのはしに寄せる
4. エビを追加して炒める
5. 酒・醤油を加えて混ぜ合わせて完成
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まとめ
筋肉の材料となる高たんぱく低脂質食材は、カロリーを抑えながらしっかり筋肉を維持・発達させたい人にぴったりの食材です。
肉類・魚類・豆類・乳製品には、高たんぱく低脂質食材が豊富です。脂質の多い脂身・皮は取り除き、調理法でも脂質除去を心がけましょう。たんぱく質の働きを良くするためには、ビタミン・ミネラルの摂取も意識してください。
たんぱく質を補うためには、質の良いプロテインを利用するのもオススメです。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
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