下半身の筋肉を鍛えるのに効果的といわれるブルガリアンスクワットをご存じですか?
ブルガリアンスクワットは普通のスクワットとは何が違うのか、実際にどのような方法でおこなえば良いのか、あまり知らない人も多いでしょう。
今回は、ブルガリアンスクワットの概要・効果を上げる方法・鍛えられる筋肉の部位を解説します。この記事を参考にして、日々のトレーニングの参考にしてください。
ブルガリアンスクワットとは?
ブルガリアンスクワットとは、ブルガリアのオリンピック代表チームが発案したといわれるウエイトトレーニングです。通常スクワットと同じく、おもに下半身の筋肉を総合的に鍛える事ができます。
両脚を地面につけたうえで「しゃがんで立つ」通常のスクワットに対し、ブルガリアンスクワットは片方の脚を後方に置いた椅子や台に乗せて片脚だけを地面につけておこないます。
つまり、自分の体重を片脚で支えるため、下半身の筋肉に大きな負荷をかけられるのが特徴です。通常のスクワットよりも強度の高いトレーニングなので、トレーニング初心者や女性の人は、自重(自分の体重を負荷として利用する)だけのブルガリアンスクワットでも十分に効果が期待できます。
両手にダンベルを持っておこなえば、負荷の大きさを調整しやすいのもブルガリアンスクワットの特徴です。
ブルガリアンスクワットのトレーニング方法などを詳しく知りたい人は、以下の記事でチェックしてください。
ブルガリアンスクワットによって鍛えられる筋肉
ブルガリアンスクワットは、おもに下半身の筋肉が鍛えられます。人間の身体の中でも体積の大きい筋肉が集まっているのが下半身です。下半身の筋肉量が増えると基礎代謝のアップが期待できるため、無駄な体脂肪を減らしやすくなり、いわゆる「太りにくく痩せやすい」身体になります。ブルガリアンスクワットはダイエットにも効果的なトレーニングです。
ここからは、ブルガリアンスクワットによって鍛えられる筋肉の部位を確認していきましょう。
大臀筋
大臀筋(だいたいきん)はお尻の筋肉を指します。骨盤の後ろ側を覆ってあり、単体の筋肉では身体の中で最も大きな筋肉です。ヒップアップが期待できるため、「尻トレ」をしたい人は積極的にこの部位を鍛えると効果的です。
ハムストリングス
ハムストリングスはおもに太ももの裏側にあり「半腱様筋(はんけんようきん)」「半膜様筋(はんまくようきん)」「大腿二頭筋(だいたいにとうきん)」の3つの筋肉の総称です。ハムストリングスを鍛えると「美脚効果」が見込まれるため、多くの女性も鍛えている部位です。
大腿四頭筋
大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は太ももの前側にあり「大腿直筋(だいたいちょくきん)」「外側広筋(がいそくこうきん)」「中間広筋(ちゅうかんこうきん)」「内側広筋(ないそくこうきん)」
の4つの筋肉で構成されています。
4つの筋肉を合わせると大臀筋より大きな筋肉のため、脚を太くたくましくさせたいなら積極的に鍛えたい部位です。
ブルガリアンスクワットの効果を上げる方法
ブルガリアンスクワットの効果を上げるため、正しいやり方をまず理解しましょう。
- 両脚を前後に大きく開き、後ろ脚をベンチか椅子に乗せます。両手は頭の後ろか胸の前で組みましょう。
- 上半身を前傾させた状態のまま、前脚の膝をゆっくりと曲げます。背中が丸まらないように意識します。
- 上半身の前傾をキープしながら、前脚のかかとを踏むようにして元の姿勢に戻します。
回数の目安は10回×3セット、セット間のインターバルを1分入れておこないましょう。初心者の場合は自重で10回連続を目指してください。
ブルガリアンスクワットのやり方は、以下の動画でも紹介しているので参考にしてください。
続いてブルガリアンスクワットで効果を上げるコツをご紹介します。
膝の角度が90度になるように意識する
腰を落とす際、前脚の膝の角度は90度になるように意識します。90度まで曲げる事によって、大腿四頭筋・ハムストリングス・大臀筋の筋肉に同時に負荷を与えられます。90度まで曲げたとき、膝がつま先より前に出ると膝関節を痛める危険性があるので注意しましょう。
背中を伸ばしてお腹から力を抜かない
ブルガリアンスクワットをおこなう際はつねに背中を伸ばし、しっかりとお腹に力を入れるように意識します。お腹の力を抜いた状態でおこなうと、背中が丸まったり反ったりして腰痛の原因になります。
膝が内側に入らないようにする
腰を落とす際、前脚の膝が内側に入らないように気をつけましょう。膝が身体の内側に入るとトレーニングの効果が下がるだけでなく、ケガの原因にもなります。人差し指・かかと・膝の中心が一直線上になるように意識してください。
ダンベルなどを使って負荷を調整する
バルクアップ目的でブルガリアンスクワットに取組むなら、自重だけではなくダンベルを使って負荷を調整するのがオススメです。目安としては、8~12回で限界になるくらいの重さが基本です。軽く10回連続でできるようであれば、少しずつダンベルの重さを増やして負荷を上げていきましょう。
まとめ
ブルガリアンスクワットは、下半身の筋肉を効果的に鍛えられるトレーニングです。
下半身には、身体の中でも比較的大きな筋肉が集まっています。そのため、積極的に鍛えると効率的に筋肉量を増やす事も可能です。
太ももを太くしたい・引き締めたい・ヒップアップしたいといった人だけでなく、ダイエット・減量をしたい人にも、ブルガリアンスクワットはオススメです。
負荷の大きなトレーニングですが、さらに追込みたい人はダンベルなどで調整し、正しいフォームでトレーニングに励んでください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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