たんぱく質は20種類のアミノ酸から構成されています。この20種類のうち、11種類は体内で合成可能な非必須アミノ酸。そして残り9種類は体内では合成できない必須アミノ酸です。後者の必須アミノ酸9種類のことを、EAAといいます。
この記事では、EAAの成分と働きを詳しく解説し、効率的な飲み方やオススメのサプリメントをご紹介します。
EAAの効果やメリット、プロテイン・BCAAとの違いに関しては、以下の記事をご覧ください。
EAAに含まれる成分
EAAとは、たんぱく質を合成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない以下9種類の必須アミノ酸のことです。
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- ヒスチジン
- リシン
- トレオニン
- メチオニン
これら9種類の必須アミノ酸は、それぞれ体内での働きが異なります。この章では、それぞれのアミノ酸がどのような働きをしているのかを解説します。それぞれがどのように働くのかを理解すれば、より効率的なサプリメントを選ぶのにも役立つでしょう。
バリン
バリンは、BCAA(分岐鎖アミノ酸)の一種です。バリンをはじめとするBCAAは特に筋肉に多く含まれており、たんぱく質を増やす働きがあるため、バルクアップには欠かせません。成長に関与する必須アミノ酸で、血中の窒素のバランス調整や肝機能サポートといった働きがあります。バリンが不足すると食欲低下・栄養不良を引き起こすとされているため、注意が必要です。
ロイシン
バリンと同じくBCAAに含まれるロイシンは、たんぱく質の生成・分解を調整する働きを持ち、筋肉の維持に欠かせない必須アミノ酸です。加えて、たんぱく質生合成・酵素活性を促進する働きもあります。バリン同様、肝機能のサポートや、幹細胞の増殖・分化の正常化に働きかけます。
イソロイシン
イソロイシンは、バリン・ロイシンと同じく、BCAA(分岐鎖アミノ酸)と呼ばれる必須アミノ酸です。バリン・ロイシン同様、肝機能サポートの作用が期待できることに加え、神経機能のサポートや血管の拡張、成長促進の働きがあります。
フェニルアラニン
フェニルアラニンは肝臓でチロシンに変換されて、ドーパミンやノルアドレナリン、メラニンの材料となります。精神安定と血圧上昇、記憶力を高める効果が期待でき、鎮痛作用・皮膚疾患への効果、食欲抑制といった働きもあります。
トリプトファン
トリプトファンは、脳内神経物質のセロトニン、メラトニンの原料となる必須アミノ酸です。日中はセロトニンへと変化し、夜はメラトニンとなります。セロトニンは、幸せホルモンとも呼ばれ、感情面・精神面に深く関係のある神経物質です。メラトニンには睡眠を促す作用があります。以上のことから、トリプトファンには精神安定や安眠の効果が期待できます。
ヒスチジン
ヒスチジンは、大人になると体内で合成できるようになりますが、子どものうちは合成できません。幼児でヒスチジンが不足すると湿疹の恐れもあるため、きちんと摂取しなければいけません。ヒスチジンは成長に関与する必須アミノ酸で、神経機能のサポートを担います。慢性関節炎やストレス緩和の効果も期待できます。
リシン
リシン(リジン)は、ホルモン・酵素などの材料となり、身体の成長や組織の修復に関与する必須アミノ酸です。抗体の材料ともなり、免疫システムにおいても重要な役割を果たします。成長ホルモン分泌を促進したり、カルシウムの吸収サポートをしたりといった作用もあります。吸収したブドウ糖がスムーズにエネルギーに変換できるようサポートする働きもあり、集中力をアップさせたい人にとっても重要なアミノ酸です。
トレオニン
トレオニン(スレオニン)は、酵素の活性部位などを生成するのに用いられる必須アミノ酸です。成長や新陳代謝を促進する作用があり、肝機能のサポートや脂肪肝の抑制、胃炎の改善が期待できます。
メチオニン
メチオニンは、たんぱく質を合成するときに最初に必要となる必須アミノ酸です。そのため、メチオニンが不足するとうまくたんぱく質合成ができなくなってしまいます。アレルギーの原因となるヒスタミンを抑える働きがあり、アレルギーによるかゆみの軽減ができ、肝機能のサポートといった働きがあります。
EAA成分はどのようにトレーニングに役立つ?
EAAとは、体内で合成できない必須アミノ酸9種類を指すと前章で説明しました。このEAA成分は、日頃トレーニングに励んでいる人、特にバルクアップを目指す人には力強い助けとなります。
この章では、EAA成分がどのようにトレーニングに役立つのか、詳しく解説します。
筋肉などの材料となる
たんぱく質はアミノ酸から構成され、人体の場合は20種類のアミノ酸でできています。上述のとおり、このうち9種類は体内で合成できません。
筋肉の主成分はたんぱく質です。つまり、バルクアップのためにはたんぱく質の合成が欠かせません。たんぱく質が合成されるには、20種類すべてのアミノ酸がそろっている必要があります。
プロテインには20種類すべてのアミノ酸が含まれていますが、そのうち11種類は体内での合成が可能です。EAAを活用することでより効率的にバランスよくアミノ酸を摂取でき、筋肉の材料をそろえることができます。
筋肉合成のシグナルとして働く
アミノ酸は「筋肉を合成せよ」というシグナルとしても働きます。このシグナルを出すアミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシン。BCAAと呼ばれる3種のアミノ酸です。このなかでも、ロイシンは特に筋肉の合成に重要な役割を担っているといわれています。
筋肉合成のシグナルはBCAAを摂取すれば出されますが、このとき同時に筋肉の材料となるアミノ酸がそろっていなければ合成できません。9種類の必須アミノ酸を含むEAAならシグナルも材料も摂取でき、より効率的な筋肉合成に役立ちます。
トレーニング時の集中力アップも期待できる
EAAに含まれるアミノ酸には、ドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の材料となるものもあります。これらは交感神経を刺激する作用があり、集中力アップが期待できます。また、フェニルアラニン・トリプトファンは精神安定の作用もあります。落ち着いた気持ちで、集中してトレーニングに励みたい人にも、EAAはオススメです。
以下の記事ではEAAのうれしい効果を詳しくご紹介しています。
EAAのうれしい効果とは?不足時の影響や、効果的な摂取タイミングについても解説
効率的にEAA成分を摂取するための飲み方
EAAの飲み方は、基本的にはプロテインの飲み方と似ています。しかし、プロテインと比較してえぐみや苦味があり、吸収のスピードが早いのが特徴です。より効率的にEAAを摂取するために、適切な飲み方を理解しておきましょう。
水に溶かして少しずつ飲む
上述のとおり、EAAにはプロテインよりもえぐみや苦味があり、このクセの強さで飲みにくいと感じる人もいます。ジュースなどの味のついている飲み物に溶かして飲めば、飲みやすさはアップしますが、その一方で吸収が遅くなってしまうのが難点です。また、水で溶かすのと比べると、飲み物から余分なカロリーを摂ってしまうことにもなります。
やはりベストは水に溶かして飲むことです。そうすれば、余分なカロリーを気にせず、EAAの特徴である吸収の早さを損なうことなく効率的に摂取できます。
EAAは一日分を一気に摂るのではなく、何度かに分けて少しずつ飲むのがベストです。摂取の目安は通常パッケージに記載されていますが、記載がない場合は1日20~25gが目安です。吸収が早いのはEAAの利点ですが、一気に大量に摂取すると浸透圧性の下痢を引き起こすこともあります。
そのため、EAAを効率的に摂取したい場合、水に溶かして少量ずつ、複数回に分けて飲むようにしましょう。
筋トレ前・筋トレ中に加えて起床時に飲むのもオススメ
上では、EAAの飲み方は基本的にプロテインに似ているとお伝えしました。プロテインを飲むのはトレーニング前~トレーニング中が良いというイメージが強いですよね。しかし実は、朝、起床時に摂取するのもオススメで、これはEAAも同様です。
当然ですが、寝ている間は栄養補給ができません。そのため、起床直後は水分や血中のアミノ酸濃度が低下している状態になります。そのまま放置していると筋肉が分解されてしまうため、起床後は速やかに血中のアミノ酸濃度を上げなくてはいけません。
そこで、EAAの吸収の早さが活かされます。食事やプロテインの摂取でも血中アミノ酸濃度を上昇させることができますが、この場合吸収までに1~2時間ほどかかってしまいます。この間の筋肉の分解は抑えられません。一方、EAAは起床直後の空腹時では20~30分程度で吸収されます。食事やプロテインよりも早く栄養を補うことができるため、筋肉の分解を防げます。
以下の記事では、EAAの飲み方や摂取量、タイミングをまとめています。
EAAの飲み方や摂取量はどのくらい?オススメの飲み方やタイミングを紹介!
バランス良く成分を配合したオススメEAAサプリ
トレーニングをする際、EAAを活用すればより効率的にアミノ酸を摂取できます。しかし、いまや多くのトレーニーが注目しているEAA。さまざまなメーカーからさまざまなEAAサプリが販売されており、どれを選べば良いか迷ってしまう人もいるでしょう。そこで、バランス良く成分を配合したEAAサプリを2つご紹介します。
EAA+βアラニンを黄金比率で配合した『VALX EAA9(イーエ―エーナイン)』
VALX EAA9には、9種類の必須アミノ酸に加えてエナジー成分であるβアラニンも配合されています。βアラニンはアミノ酸の一種で、Lカロニチンレベルを向上させます。これにより、筋肥大や持久力アップが期待でき、疲れの原因となる乳酸の蓄積を減らします。トレーニング中のスタミナ切れを防ぎ、さらにハードなメニューにも挑戦できるでしょう。
『VALX EAA9』は圧倒的な「実感力」を目指し、30年の研究を経て作られたサプリメントです。その理由は、9種類の必須アミノ酸とβアラニンの配合量にあります。VALX EAA9のβアラニンを含めた1回分のアミノ酸含有量はなんと17,650mg。トレーニングに励む人へ向けた黄金比で配合されています。
EAAというとクセのある味に苦手意識のある人もいらっしゃるかもしれませんが、VALX EAA9は飲みやすさにもこだわっており、トレーニング中でもゴクゴク飲めるのが特徴です。購入者の98%以上が「美味しかった」と回答しています。サラサラと溶けやすいのもオススメの理由です。
女性の美容に最適なバランスでEAAを配合した『EAA BEAUTY』
女性でトレーニングに励む人は、適度な筋肉のある、しなやかで美しいスタイルを目指す人も多いでしょう。そういった場合は、『VALX EAA9』よりも『EAA BEAUTY』がオススメです。
『EAA BEAUTY』では9種類の必須アミノ酸を、女性の美容に最適なバランスで配合しています。加えて、乳酸の蓄積を減らし持久力アップが期待できるβアラニン、天然美容成分であるピクノジェノール®も配合。女性に特化したEAAサプリとなっています。
ピクノジェノール®には、フラボノイドという強力な抗酸化作用を持つ成分が豊富です。その抗酸化力はなんとビタミンCの340倍。さらに、コラーゲン生成を促進して、若々しい身体づくりをサポートします。ほかにも、ピクノジェノール®の抗炎症作用や抗酸化作用により、月経困難症の痛み緩和が期待できるなど、女性特有のお悩みに対してもうれしいポイントが多数あります。
まとめ
EAAとは、たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できない9種類の必須アミノ酸のことを指します。たんぱく質は、筋肉を作るのに欠かせない栄養素です。そして、20種類のアミノ酸すべてそろっていなければ筋肉が合成できないため、バランス良く摂取することが欠かせません。
EAAにも含まれるBCAAは、「筋肉を合成せよ」というシグナルを出すため、バルクアップやトレーニングの際に積極的に摂りたい栄養素です。このとき、やはりすべてのアミノ酸がそろっている必要があるため、3種類の必須アミノ酸を含むBCAAのみよりも9種類の必須アミノ酸を含むEAAを選ぶのが効率的といえます。
EAAサプリのなかでも特にオススメしたいのが『VALX EAA9』です。9種類の必須アミノ酸に加えて、筋肥大や持久力アップが期待できるβアラニンが黄金比で配合されているため、効率的に栄養摂取できます。
女性の場合は、美容面にフォーカスした『EAA BEAUTY』が良いでしょう。強い抗酸化作用を持つピクノジェノール®により、若々しくしなやかな身体づくりをサポートします。
このように、EAAと一口にいってもさまざまな商品があります。トレーニングの目的や目標から、ご自身に適したサプリメントを選んでください。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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