効率の良いバルクアップの方法を調べると、アミノ酸の摂取が筋トレに効果的だという情報が見つかります。また、EAAやBCAAなどといった略語を目にして、その意味を知りたいと思っている人もいるでしょう。
そこでこの記事では、筋トレとアミノ酸が具体的にどのような関係があるのか、EAAやBCAAとは何なのかなどについて詳しく解説していきます。
筋肉を増やすにはアミノ酸が必須!
筋肉とアミノ酸の関係を一言で表すと「アミノ酸は筋肉を増やすために必須の栄養素」と言えます。以下では、筋肉が増える仕組みやアミノ酸と筋肉の関係について詳しく解説します。
筋肉はストレス(負荷)によって大きくなる
まずは筋肉が増える仕組みを見ていきましょう。
筋肉はストレスを受けて、それに応答することで大きくなります。
具体的には、トレーニングなどの負荷によって筋肉にストレスが与えられることで筋細胞が破壊されます。そこに材料となるアミノ酸を取込むことによって筋肉が増えていくのです。
反対に、トレーニングで筋肉にストレスを与えた際に十分な栄養を摂取できていなければ、合成よりも分解のペースが上回ってしまうため、筋肉は小さくなってしまいます。
筋量アップにはアミノ酸が必要!
筋肉はストレスで壊れ、そこに栄養素を取り込むことで筋肉が合成され大きくなると説明しましたが、そのために必要な栄養がアミノ酸とたんぱく質です。
なお、アミノ酸はたんぱく質を構成する材料です。筋肉はたんぱく質でできており、そのたんぱく質はアミノ酸でできている、という関係です。
つまり、筋肉を大きくするためには、トレーニングによりストレスを与えるのと同時に、十分なアミノ酸を摂取する必要があるということになります。
アミノ酸が不足すると筋トレには大きな悪影響が
体内のアミノ酸が不足すると、次のような悪影響を受けるおそれがあります。
- 筋肉量が減少する
- 集中力が低下する
せっかく筋トレしても、アミノ酸が不足していると、思ったほどの効果を得られない可能性があるのです。上記2つの悪影響について、詳しく解説します。
筋肉量が減少する
筋トレをおこなうことで、体内に蓄えていたアミノ酸がどんどん消費されていきます。そのとき、体内のアミノ酸が足りなくなると、エネルギーを作り出すために筋肉が分解され始めます。
せっかくトレーニングをしているのに、筋肉が分解されて筋肉量が減ってしまうと、筋肉を付けたい人にとっては逆効果です。
ほかにも、筋肉量の減少によって以下のような悪影響が考えられます。
- 疲れやすくなる
- 太りやすくなる
- やせにくくなる
集中力が低下する
神経伝達物質と呼ばれる脳内ホルモンは、必須アミノ酸を含むたんぱく質で構成されています。したがって、アミノ酸が不足すると、精神をリラックスさせる働きや睡眠の質をキープする働きが低下して、集中力や思考力が下がるおそれがあるのです。
さらにアミノ酸には、活動意欲にかかわる脳内ホルモンを調節する役割もあります。意欲的にトレーニングに取り組み、身体の動きに集中するためにも、バランス良く十分なアミノ酸を摂取するのが理想的です。
意識しないと十分なアミノ酸は摂れないって本当?
アミノ酸は日常生活でもよく耳にする言葉であり、「日々の食事だけでも十分摂取できる」といったイメージを持っているかもしれませんが、実は筋肥大に必要なアミノ酸を食事だけで摂取するのは簡単なことではありません。
ここからは、アミノ酸を食事で効率的に摂取する方法について解説します。
食事から摂れるアミノ酸は少量
多くの人の場合、普段の食事で摂れるアミノ酸はごく少量のため、筋肉を増やすのに十分とは言えません。
その理由としては、たんぱく質が含まれる食材は限られているため、十分なアミノ酸が摂取できないということがあります。そのため、かなり意識して食品を選び、かなりの量の食事を摂らなければ、筋肉を増やすために十分なアミノ酸を摂取することは難しいと言えます。
アミノ酸スコアの高い食品
筋肉を増やすのに十分なアミノ酸を食事で摂るためには、アミノ酸スコアの高い食品を食べる必要があります。
アミノ酸スコアとは、食品に含まれる必須アミノ酸のバランスを評価したもので、これが高い食品を摂るほど良質なアミノ酸を摂取できると考えていいでしょう。
アミノ酸スコアは100が最大となっており、アミノ酸スコア100の食品としては主に大豆、鶏肉、卵、豚肉、牛乳、牛肉などがあります。また、鮭やアジなど特定の魚や、ヨーグルトなどの乳製品にもアミノ酸スコア100の食品があります。総じて言うと、動物性たんぱく質を含む食品にアミノ酸スコアの高いものが多いと言えるでしょう。
逆にアミノ酸スコアが低い食品としては、米や穀物類などの植物性たんぱく質を含む食品で、白米のアミノ酸スコアは65、食パンでは44となっています。
参考:アミノ酸スコアとは?計算方法、主な食品のアミノ酸スコア例を紹介 -森永製菓-
食事では不足しがちなアミノ酸をサプリで補おう!
アミノ酸スコアの高い食品を紹介しましたが、アミノ酸スコアが高い食材だけを摂るようにすると、他の栄養バランスが崩れやすい、食費が高騰するなどの理由から、食事だけで十分なアミノ酸を摂取するのはなかなか難しいと言えます。
そのため特に筋トレをする場合などは、サプリメントでアミノ酸を摂取するのが効果的です。ここからは、筋トレに効果のあるサプリメントについて解説していきます。
EAAやBCAAはアミノ酸の総称
筋トレに効果のあるサプリとして名前があがることが特に多いのが、EAAとBCAAです。
これらはともにアミノ酸の総称であり、EAA(Essential Amino Acid)は体内では作りだすことのできない必須アミノ酸と呼ばれる9種類のアミノ酸の総称、BCAA(Branched Chain Amino Acid)は分岐鎖アミノ酸と呼ばれる3種類のアミノ酸の総称です。
以下にそれぞれに含まれるアミノ酸について表でまとめてありますので、興味のある方は参考にしてみてください。
必須アミノ酸(EAA) | 体内で期待される役割・効果 |
ロイシン(BCAA) | たんぱく質の合成、肝機能サポート、筋肉強化 |
バリン(BCAA) | たんぱく質の合成、肝機能サポート、血液中の窒素バランスの調整 |
イソロイシン(BCAA) | 成長促進、血管拡張、肝機能サポート、筋肉強化、神経機能サポート |
フェニルアラニン | 精神安定、食欲抑制、鎮痛効果 |
スレオニン | 成長・新陳代謝の促進、肝機能サポート |
ヒスチジン | 神経機能サポート、成長促進、慢性関節炎やストレスの緩和 |
トリプトファン | セロトニン生産サポート、安眠効果、精神安定 |
リジン | 肝機能サポート、免疫力向上、カルシウムの吸収促進、脳卒中の発症抑制、ホルモン・酵素の生成 |
メチオニン | アレルギーによるかゆみ軽減、肝機能サポート、抑うつ効果 |
EAA・BCAAはサプリメントとしても呼ばれる
EAAとBCAAは、本来はアミノ酸の総称ですが、それらを配合したサプリメントの名称としても「EAA」や「BCAA」という語が使われています。
日常生活のなかでEAAやBCAAという名前を聞いたことがある人は、アミノ酸自体のことではなく、サプリメントを指す言葉として耳にしたことが多いかもしれません。
筋トレの効率を上げるためのアミノ酸サプリはEAA!
EAAとBCAAはどちらもアミノ酸の総称、またはアミノ酸を含むサプリメントの名称であり、似たような意味合いである分、どちらがより筋トレに効果的なのか気になる方もいるでしょう。
結論から言うと、EAAとBCAAの2つを比べた場合、EAAの方がより筋トレの効率を上げやすいとされています。
EAAはBCAAを兼ねている
前の章に掲載した表を見ていただけばわかると思いますが、BCAAに含まれる3種のアミノ酸は、すべてEAAにも含まれるものです。つまり、EAAを摂ることでBCAAの効果も得られ、それに加えてほかのアミノ酸からも効果を得られることになります。
ただし、多くのアミノ酸を含んでいる分だけ、EAAのほうがBCAAに比べ価格も高価です。そのため、トレーニングにかけられる予算によってはBCAAを選ばざるを得ないこともあるかと思いますが、単純に同じ筋トレをした場合の効率を考えるとEAAがよりオススメです。
筋トレに効果的なEAAを飲むタイミング
筋トレをおこなう際に、EAAを飲むタイミングも重要となります。トレーニング前やトレーニング中に飲むのが基本です。血中のアミノ酸濃度を高い状態にキープして、筋肉の合成を助けましょう。
また、EAAは起床直後に飲むのもおすすめです。人間が就寝している間は栄養補給できず、起床直後は水分や栄養素が不足した状態となります。
そのまま血中のアミノ酸濃度が低い状態が続くと、筋肉が分解されてしまいます。これを防止するためには、食事やサプリメントでたんぱく質またはアミノ酸を摂取し、血中濃度を上げる必要があります。
ただし、たんぱく質が消化吸収されてアミノ酸として血液に取り込まれるまでには、1~2時間ほどかかります。これを考えると、起床直後に食事やプロテインを摂取しても、すぐに筋肉の分解をおさえることはできません。
一方で、アミノ酸は体内で分解する必要がないため、摂取から30分ほどで体内に吸収されます。したがって、起床後すぐに血中アミノ酸濃度をするには、EAAサプリメントの摂取がおすすめです。
また、朝に十分なアミノ酸を摂取することで基礎代謝が上がり、身体のリズムを整えることも期待できます。
【オススメサプリ】VALX EAA9(イーエーエーナイン)
EAAの中でも、特にオススメのサプリメントが『VALX EAA9(イーエ―エーナイン)』です。
『VALX EAA9』はボディビル界のレジェンド山本義徳先生の監修のもと、9種類の必須アミノ酸がバランスよく配合されたEAAサプリで、摂取することにより筋肉の合成促進や分解防止などの効果が期待できます。
味わいの面でも飲みやすさにこだわり、日本マーケティングリサーチ機構のおこなったアンケートでは、飲みやすいと思うEAAサプリメントNo.1にも輝いています。
バルクアップには必須のアミノ酸の摂取に、ぜひ『VALX EAA9』をお役立てください。
【まとめ】筋肉を大きくするため、アミノ酸をEAAで摂取しよう!
アミノ酸は筋肉を増やすために必要ですが、食事からでは十分に摂取できないことが多い栄養素です。特に、EAAやBCAAと呼ばれる必須アミノ酸は体内で生成できないため、サプリで摂取することをオススメします。
EAAとBCAAは両方ともアミノ酸の総称ですが、トレーニング業界ではそれらの含まれたサプリの名称として使われます。EAAには9種の必須アミノ酸が含まれており、そのなかにはBCAAもすべて含まれています。筋肉を大きくしたい方は筋トレをしながらEAAを摂取することでより大きな効果が見込めるでしょう。
監修者情報
山本 義徳(やまもと よしのり)
1969年静岡生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、ボディビルダーとして国内外の大会で活躍。世界2冠を獲得する等、数多くの優勝経験を持つ。その後、アスレティックトレーナーとしてメジャーリーガーやJリーガー、総合格闘家等幅広いクライアントへトレーニングおよび栄養指導を行う。2019年4月にトレーニングのノウハウや食事、ダイエットに関する情報を発信する『VALX 山本義徳 筋トレ大学』を開設し、登録者数72万人を突破。2024年8月には、更に深い知識やより細かいメカニズムを徹底解説した動画コンテンツ『筋トレ大学PRO』を新たに開設し、より上級者に向けたトレーニングや健康に関する情報を発信している。
【主な著書】
・ウェイトトレーニングー実践編ー
・ウェイトトレーニングー理論編ー
・アスリートのための最新栄養学(上)
・アスリートのための最新栄養学 (下)
・最高の健康 科学的に衰えない体をつくる
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